霞沢高校運動会!

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5月中旬。 この時期と言えば1学期最初にして最大のイベント… 「来週は運動会だから皆頑張るんだぞ」 …運動会だ。 「運動会だー!!」ガタッ 「騒ぐな」ゲシッ 「グハッ!」バタ 立ち上がった康太に蹴りを入れて黙らせる。 「…えー、1年生の種目は  2人3脚  クラス対抗リレー  綱引き  の3つだ」 何事も無かったかのように話を続ける木山先生。 「2人3脚のペアとリレーの順番を決める。委員長。任せた」 その言葉と共に教壇へ歩いて行くのは、クラス委員長の中川。 「じゃあ最初にぃ2人3脚のペアを決めるんでぇ、ペアを作って僕に報告して下さぁい」ダルーン (ダルい…) 委員長があんなんで良いのだろうか。 結局、俺と康太のペア、神崎と山岡のペアに決まる。 「じゃあこのペアでやるんでぇ、練習しといて下さぁい。 で、リレーの順番ですけどぉ、出席番号順で良いですかぁ?」ダラー 「「「………」」」シーン 特に反論の声は挙がらない。 「じゃあ決定でぇす」ダラダラ 「決まったな。じゃあ本番を楽しみにしているぞ」 放課後。 「俺と凉が走ればウチの優勝は確実だな!」 2人はどちらも100m12秒台後半と足は速い方だ。 「はいはい」 「私だって負けないもん!」 「ん?山岡さんは100m何秒くらいなの?」 「13秒80よ!」 まあ、女子にしては速いな。 「神崎は?」 「…あ…私…じゅ…」ボソボソ 「ん?」 神崎の声がよく聞こえなかったので顔を覗き込む。 「ひぁっ…!!」ビクーン 驚いて跳ね上がる神崎。 「…あの…14秒…90」シュン 女子なら平均的だと思うけど。 「なななんだ。ぜ全然遅くないよ。おおお落ち込まなくていいいいいよ?」アセアセ 「そそそそうよ。たたたまたま私達3人がは速いだけなんだから」アタフタ 康太と山岡は神崎が落ち込んでしまったため慌てている。 「…でも。…沢本君に…迷惑…かかる」ズーン へ?俺? 「怒ってないでアンタも何か言ってあげなさいよ!」 どうやら俺が何も言わないから怒ったと思われたようだ。 「大丈夫だ神崎。俺はそんな事で怒ったりしないぞ」 「…ほんと?」チラ 「ああ」 「…よかった」ホッ
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