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運動会前日。
いつものように4人で昼飯を食べた後。
「…」クイクイ
「ん?どうした神崎?」
「…ちょっと…来て」
神崎に連れられて体育館裏に着く。
不良体質の俺にとっては久しぶりの喧嘩フラグなので、少し身構える。
「で、何だ?」
「…あ…えと…私…」
「…」
「…沢本君が…その…」モジモジ
「俺が?」
(何だろう?)
どうやら喧嘩ではなさそうだ。
「…す…すす…」モジモジ
す?もしかして…
「えっと…もしかして俺の事好きなのか?」
「…うん…!!」カアァ
特に断る理由も無い。
「ああ。ならよろしくだ」
「…いいの?」カァ
「おう」
「…えへへ」ダキッ
いきなり抱きついてくる神崎。
「戻るぞ神崎」
「…あ…」
「何だ?」
「…凉…」カァ
「ああ、そうだな。行くぞ、綾」
「…うん」パアァ
「お前ら何やってんの!?」
腕を組みながら教室に入った俺達に、康太が反応する。
「ん?ああ」
「…彼氏」ギュ
俺より先に綾が返事をする。
「嘘だろぉお!?」
「本当だ。お前には山岡がいるだろ」
「そうだった!山岡さーん!!」
「嫌」
「」
教室内の男子からは
「なんで沢本なんだ…」
「沢本を殴れる奴はいないのか…」
という声が聞こえる。
「はあ…アンタも丸くなったわね」
莉奈が俺に声を掛ける。
「なんで」
「アンタ最初は顔は良いのに近寄り難い雰囲気だったから。
今は目つきも優しくなってるわよ。
だから私もアンタに話しかけたの」
そんな自覚無かったけど。
「よく見てるな山岡」
「りり莉奈ってよ呼びなさいよ。綾もなななな名前でよよ呼んでるんだから」カァ
「…莉奈。…凉は…私のもの…だよ」
キーンコーンカーンコーン
「ちち違うわよ。そんなつもりじゃないわ」カアァ
「おい2人共。戻れ」
チャイムが鳴ったので莉奈と綾を座らせる。
ガラッ
先生登場と同時に眠りにつく…
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