393人が本棚に入れています
本棚に追加
「…」チョコン
「ダメか?」
「…許して…あげる」エヘー
満面の笑みだ。良かった良かった。
『1年生のリレーです。1年生は集合して下さい』
「行こうか」
「…うん」
「スタート!!」
先頭5人が一斉に走り出す。
その後、2組と3組が1位争いをしたまま康太の順番が来た。
「康太走れー!」
俺が叫ぶが、半分を過ぎた所で失速して抜かされる。
「悪い凉!任せた」バトンタッチ
「遅え!氏ね」
バトンを受け、走り出す。
2組のヤンキーポニテ女との距離は20mほど。
「チッ…速いな」
半分過ぎて差は10m程度。
そろそろ足も疲れてきた。
「「凉ー!頑張ってー!」」
「凉ー!遅いぞー!」
3人の声が聞こえる。応援してくれる人がいる。
そう感じると、自然と足が前に出て行き…
「トップ守れよてめえ!」バトンタッチ
ヤンキー女を抜かしてトップでバトンを渡す。
「よお。あんた速いな」
ヤンキー女が寄って来る。
あれ?なんかデジャヴ。
「女には負けねえよ」
「ふーん…オレは桐生深希(ミキ)だ。忘れんなよな」
「沢本凉だ」
話している内にリレーが終わったようだ。
「綾。何位だ?」
「…1位」
「アンタのおかげよ!」
「凉はやっぱ凄えな」
「1位か。これで優勝は貰ったな」
「よし皆。午前のプログラムは終了したから昼飯食べて良いぞ」
木山先生が言う。
「昼飯食おう」
「そうね」ウン
4人は手頃な木陰を見つけて腰を下ろす。
「「「「………」」」」パクパク
食事中は喋らないのが4人の暗黙の了解である。
「やあ沢本凉。ご一緒するよ」
「よお」
「なんでお前らが来るんだ」
キザ野郎こと白川秀と、ヤンキー女こと桐生深希が弁当を持ってやって来た。
最初のコメントを投稿しよう!