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(1年3組…1年3組…あった)
教室の後ろのドアを開けて中に入る。
ガラッ
皆一斉に俺の方を向く。
「さーせん遅れましたー」テクテク
「おおー!凉じゃんか!」
「あ?…なんだ康太か」テクテク
「なんだって何だよー!ほら、お前の席後ろだぜー!」
…うるせえ。
「うるせえ」ゴッ
とりあえず頭を殴っておいた。
「痛え!いきなり殴っちゃう!?」
「黙れ」ゴスッ
「酷い!酷いよ!同じ所とかやめて!!」
「…」
「…すいません」ショボン
分かればいいんだ分かれば。
とりあえず席に着き、教壇の方に視線をやる。
「あー…では改めて担任の木山 優里です。皆1年間よろしく」
木山先生が気まずそうに言う。
「「「よろしくお願いしまーす」」」
その後は特に何もなくHRが終わり、皆が帰り始めている。
「凉ー帰ろうぜー!」バッ
「うっせえ」グググ
康太が飛んできたので康太の頭を掴んで握り締める。
「痛い痛い!ギブギブ!!」パシパシ
康太が俺の腕を叩く。しょうがないから離してやった。
「いってえ…お前握力何だよ」
「ん?110?ぐらい?かな?」
「強っ!!」
そんな他愛もない会話(?)をしていると、教室にもう1人人がいるのに気がついた。
顔をよく見てみればかなりの美少女だ。
…本読んでる。
「…なあ康太」トントン
「何だ?」
「あいつ何?」
そう言って例の美少女を指さす。
「ああ、あいつね。顔がめちゃくちゃ可愛いから男子が朝から話しかけてんだけどさ、相手にしないって言うか」
「へえ…」
「女子となら喋るんだけどちょっと無口なんだよね。まああいつらは仲良さそうだから良いみたい」
「話しかけた男子ってお前だろ」
「当たり前だろ?俺はこの高校で可愛い彼女を作るもんね。つか何で分かったんだ?」
「お前があいつを恨めしそうな目で見ててキモいから」
「キモい関係無くない!?」ガーン
康太の最後の叫びは無視して歩きだす。
ちょっと声かけて行こうか。
「おい、俺ら帰るからな。お前も早く帰れよ?」
「…」コクッ
美少女は俺の顔を少し見つめて頷く。
よし、じゃあ帰るか。
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