第1章 出会い

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結局、旭は授業が終わっても戻っては来なかった やっと部活が終わり空は少し暗かった 軽食のパンを持ち屋上へ向かう この部活に入ってからの毎日の俺の日課だった いつも通り屋上へ行き扉をあける 「…旭………?」 何故かそこには今日授業をサボっていた旭がいた 俺が声をあげても反応はない (…眠っているのか…?) そっと顔を覗きこむ (うわっ…すげぇ綺麗な顔だな…) 思わず見惚れてしまう 「…ん……」 しばらくすると旭が声を出した 慌てて離れていく ゆっくりと体を起こし キョロキョロと辺りを見回している 「…あれ……?ここは……?今……何時だろ……?」 寝ぼけているのか随分と幼く見える それよりも… (!?……アイツ…こんな声だったか………?) 少し高い可愛らしい声だった 動揺を抑えながら 旭の言葉に答える 「ここは屋上。今は5時50分だ」 そう言うと旭は慌ててコチラを見る 「なっ…何でお前がここに…!?」 目を見開いて俺を見ていたが状況が飲み込めたのか、すぐに元のように戻る 「…そうか……」 それだけ言うと屋上を出て行こうとする 「おい!お前ずっとここに居てたのか!?」 すると旭は一度だけ振り返って 「…お前には関係ねぇよ…」 そう言って出ていってしまった 「…何だよ、アイツ…」 そのあと、俺は予定通りパンを食べて屋上をあとにした .
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