道化師のｶﾌﾟﾘﾁｵ

始まりってだいたい決まってるよな!!

何人かの少年少女たちがある男を探していた

｢ﾊｧｯ､ﾊｧｯ…｣

｢どこいっちゃったの…｣

｢べつのとこ探すぞ!｣

｢お願いだからいなくならないでよぉ…｣

｢ねぇ!あれじゃない!?屋上に見えるの!!｣

｢あれだ!!はやく行くぞ!｣

ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ…

屋上にいる少年はいつでも無表情だ
しかし今回は笑っていた

｢ﾊﾊﾊっ｣

風が吹く
髪が彼の顔を隠す
それでも口は笑っている

彼は壊れてしまっているのか
否､初めから壊れていたのだろう…

産まれたあのときから