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「そんなことっ……」
ない。とは言いきれなかった
私は一瞬そうおもっていたからだ
「フフッ」
彼は再び笑む
「気にするな。それが人間の本能だ。異質なものは取り除くべきだ」
まるで当たり前のように言ってくる
「まっ、安心しろ。べつに死ぬわけじゃないし、縁があればまた会うだろ」
彼はいつもの調子で言ってくる
「だっ、ダメ!!静がいないと、静がいないとダメなのぉ…」
私は彼にすがる
「なんでもするから…なんでもするから……いなくならないでよぉ」
こんな私を見ても彼はまったく変わらない
「アホッ。そういう台詞は将来にとっとけよ」
彼は笑いながら言う
私の言葉はもう彼には届かない
「んじゃ、さよならだ」
そういって彼は私達の前から姿を消した
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