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ふたりは上官の部屋に来ていた。上官はどうやら和風マニアのようで、『私は納豆が好きです』とか言うあまりよくわからない掛け軸とかがかかっていた。
「……あれほど、昨日ブリーフィングの時間については言ったと思ったんだけど」
その上官は軍服、というよりかは警察官のよく着る制服のような服に身を包み、左手にペンを握って、何か板のようなものに書いていた。
「タブレット、ですか?」
「ええ。よくわかったわね?」
そう言って、上官は長い銀髪をたくしあげる。
「少佐になるといろいろと大変でね? このグラディアの戦争の他にリブガナ諸島のテロリストも制圧しないといけなくてね」
タブレットの脇にあるボタンを押すと、スクリーンになにかが映し出される。
それは、地図。そこに赤や青の点が動いている。
「私がこのタブレットにタッチすると赤のやつが反応する。それを引っ張ったりすれば殲滅したりできるってわけよ。ともかく私は忙しいの。あんたらがその私の忙しさをさらに忙しくしたのは分かっているよな?」
二人は答えない。
「分かっているよな?!」
「い、イエッサー!!」
ふたりは何かに怯えるように、敬礼する。
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