『小人はガリバーにはかなわない』――グラディア侵略戦

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と、いうことはだ。 彼女はその機械が届くまで、ずっと苦しむ羽目になる。 それは、できれば目を背けていたい、でもはっきりとした真実。 (どうする……!! このままじゃ、姫様が……!!) 「方法、ひとつだけ…… あるよ」 彼女は精一杯、その言葉を紡いだ。 「……それは?」 サリドが聞く前に、彼女は座席の下にあるボタンを押す。 直後、コックピットは大きく開き、そこから上に勢いよく座席が飛び出た。 しかし、コックピットが開くということは満たされていた液体が噴き出ることをも意味していて。 コックピットのそばにいたサリドはもろにそれを浴びてしまった。 疲れた表情で、笑いながら彼は一言。 「緊急装置、異常なーし……」 † 「それでなんかさっぱりしてるのか」 二時間後。ヒュロルフタームの清掃と液体の補填、スーツの着替えなどを済ませたサリドは作戦三十分前にしてようやく外に出た。 そこでグラムと出会った、というわけだ。
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