『小人はガリバーにはかなわない』――グラディア侵略戦

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「ああ。まあいいリラックスにはなったかな」 「そこまで楽観的にいられると、逆にうらやましいよ」 グラムは苦笑いをしながら、サリドに言った。 と同時に。 作戦開始を報せるサイレンが、基地中に鳴り響いた。 「始まったようだな」 「なに冷静にしてんだよ!! またあの和風マニアの暴力上官になんか言われる……」 そこまで言って、グラムの言葉は途絶えた。 不思議に思って、サリドは横を向くと、 そこにはあの和風マニアの暴力上官とやらが立っていた。 「……ちょ」 「誰が、暴力上官、だって?」 彼女は笑って言った。しかし目は笑っていず、戦争(たたかい)の時のような目であったが。 「……す、すいません……。リーフガットさん……」 謝ったのはグラムでなくサリド。しかも士官階級ではなく彼女の名前、リーフガット・エンパイアーを言って。 「……まあいいわ。さっさと体育館に向かって」 彼女は長い銀髪をたくしあげ、言った。 彼らはそれから逃げるように、走った。
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