『小人はガリバーにはかなわない』――グラディア侵略戦

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解散して、サリドとグラムは基地の外に出た。 雪は、降ってはいないものの踏むと靴が沈んで隠れるほど積もっている。 「うーっ、寒い」 今はサリドとグラムはあの軍服の上に迷彩柄のジャンパーを着ている。言わずもがな、防寒対策だ。 かれらの右手には小さな機関銃がある。 しかしヒュロルフタームが来てしまえば役には立たない。シロナガスオオクジラにイワシが立ち向かうようなものだ。 故に、ヒュロルフターム“さえ”倒されると、それは負けを意味する。 なぜなら、 今の人間にヒュロルフタームを倒すすべがないから、だ。 † ヒュロルフタームを倒されると、残された軍隊に待っているのは、死。 それを恐れるものは逃げるしかない。逃げて。逃げて。逃げて。逃げて、それでもヒュロルフタームが持つ射程5kmの巨大レールガンには敵わないのだが。 だからこそ。 ヒュロルフタームを倒されると、あとは逃げるしかない。
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