『小人はガリバーにはかなわない』――グラディア侵略戦

5/50
前へ
/463ページ
次へ
「そうとはいってもさー。やっぱ唾液にも限度があんじゃねーの? だからそれはあくまでも一時的なやつで、長期間の喉の乾きを癒すのは無理とかどうとか、開発した学者が教鞭で言ってたぜ」 サリドは近くにあったスコップを地面に突き立て、言った。 「そうだな。ともかく戻ろうぜ。昼飯がなくなっちまう」 「あのくそまずいレーションでも食わなきゃ力になんねーしな」 そう言って二人は基地に戻った。       〇 ふたりは十分後、その基地にたどり着いた。 基地と言っても、二人の務める基地は移動式の基地でトレーラーのような、そんな形をしている。 「……ほんとうに、平和だなあ」 ぽつり、サリドはつぶやいた。 「ほんと、お前それしか言ってねーな。まあ、たしかにここが戦場とは誰にもわからんけどな」 グラムはそう言って、二人分のレーションを取り出す。 「おっ、サンキュー」 そう言って、サリドはレーションを受け取る。
/463ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加