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「そうとはいってもさー。やっぱ唾液にも限度があんじゃねーの? だからそれはあくまでも一時的なやつで、長期間の喉の乾きを癒すのは無理とかどうとか、開発した学者が教鞭で言ってたぜ」
サリドは近くにあったスコップを地面に突き立て、言った。
「そうだな。ともかく戻ろうぜ。昼飯がなくなっちまう」
「あのくそまずいレーションでも食わなきゃ力になんねーしな」
そう言って二人は基地に戻った。
〇
ふたりは十分後、その基地にたどり着いた。
基地と言っても、二人の務める基地は移動式の基地でトレーラーのような、そんな形をしている。
「……ほんとうに、平和だなあ」
ぽつり、サリドはつぶやいた。
「ほんと、お前それしか言ってねーな。まあ、たしかにここが戦場とは誰にもわからんけどな」
グラムはそう言って、二人分のレーションを取り出す。
「おっ、サンキュー」
そう言って、サリドはレーションを受け取る。
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