『小人はガリバーにはかなわない』――グラディア侵略戦

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専用のスプーンを使ってアイスクリームのように、レーションをすくい、一口食べる。 「……うえっ、まずい。ほんとこれじつは消しゴムなんじゃないか、って思うよ」 「でも、食える消しゴムも開発されてるんだよな? 大災害とか空襲とかあったときに食料を確保できるように、とかで」 「臭い付き消しゴムが出た時点でありえそうな気もしたけどな。結局ゴムはゴムだからまずいものはまずいんだよ」 そう言いながら、グラムはさらに一口。 「いや、そうだけどさ。こんなまずいもんばっか食ってたら兵隊の覇気も下がるんじゃねーの?」 「作った人から見れば『戦いは所詮ヒュロルフタームとFORSEだけ』だから兵隊に関しては二の次なんじゃねーの? あんま考えたくないけど」 と言ってサリドはレーションを口にほおり込んだ。 「さてと。また続きやっか」 「そうだな。ったくいつになったら終わるんだろうかなあ。はやく戦争らしいことやりたいぜ」 グラムはそんなことをつぶやきながら、近くにあったシャベルを持った。
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