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「なにしてるの?」
二人はその声を聞いて、思わず心臓が止まるかと思った。
「……」
恐る恐る二人は振り向く。
そして、ほっと、息をつく。
「……姫がこんなところでなにをしてらっしゃるのです?」
「……バカにしてるでしょ?」
そこに居たのは軍服、といってもサリドたちとはことなる青の軍服だが、を着た少女がそこに居た。長い金髪が風にふわふわと揺れている。
「……暇だったからここにきたの」
「そっかー、たしかに暇だよな。戦争だってのに、敵からの攻撃0だしなー」
サリドは冷静を保ってしゃべっているようにも見えたが、実際には至極緊張していた。
なぜか?
なぜなら、彼と話しているその少女こそ、
――『ヒュロルフターム』を操るパイロット『ノータ』の一人なのだから。
「……でも、この戦争ももう終わるよ」
「?」
「あれ? さっき無線で鳴らしてなかったっけ? ブリーフィングを行うからサッサとこい。ってね」
「え?! まじか!! じゃあおれら作戦を知らずに突入する羽目に……!!」
「もう終わっちゃってるから急いで聴きにいかないと。作戦決行は3時間後だよ?」
「やべえ!! いそがなきゃ!! ありがとう姫様!!」
かすかに敬礼をして、走る二人だった。
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