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「はいっじゃあ 今日の授業はここまで。 質問のあるやつは 職員室にきて」 それだけ言うと先生は 扉をあけ、すたすたと教室から出ていってしまう 素っ気ないな 先生ともっとしゃべって みたいのに… 初めて話したあの日から もうすぐ夏休みになるというのに、 先生に感じた恋の予感が 本物だったのかどうか 確かめるどころか あたしは先生と 話すことすらできずにいた 先生の後ろ姿を 食い入るように 見つめていたあたしに 気づいた 柚木が 話しかけてきた 「なお、 先生のこと見すぎ。」 柚木は私の親友 岡田先生のことが気になっていることを 唯一知っている友達 「うぅ…けど 取りつく島もないみたい…これじゃ 確かめようもないや」 「先生基本授業のとき 以外職員室にいるから 中々会えないもんね…」 柚木の言う通り先生は、 1年2組の担任であり、 あたしのクラス1年3組には数学の時間以外 全く関わりがないのだ あの日から となりのクラスに 入れたら…… と何度思ったことか……
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