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「テスト前に、ノート写させてとかいっても見せてあげないからね」
オレの左隣で、意地悪を言いながらもテキパキとシャーペンを動かす女の子。
肩までのミディアムヘアを耳にかけながら、カリカリとシャーペンを動かしている。
彼女は斉藤杏子。オレとおなじ大学2年生。
実は小、中とオレと同じ学校に通ったいわゆる幼なじみって関係だ。
彼女かって?
違う違う。ただの友達だ。
「頼むって、また飯おごるからさ。」
「今度は絶対スイーツバイキングだから。分かってる?全く大輔といい卓也といい、ノートぐらい自分で真面目にとってほしいもんだわ。」
そういって杏子はオレの右隣で豪快なイビキをかきながら机に突っ伏す男に、オレの消しゴムを投げつけた。
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