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「うぇっ!」
小さく声をあげながらガバっと起きあがった男。
しかし次の瞬間には再び机へと突進しまた大きなイビキをかきはじめた。
「ほんと、どんな神経してんのかしら?起きあがったのに目が覚めないなんて。」
呆れたように呟く杏子。
「部活で疲れてんだろ。寝かしといてやろうぜ。」
諦めたようにまたノートに向かい始めた杏子。
隣で大胆に眠り続ける男は青木卓也。同じ大学2年でまぁオレの親友という存在だろう。
共にサッカー部に所属していて、全ての大学生活をこいつと共にしていると言っても過言ではない。
小、中、高を全く同じ学校で過ごしており、杏子と同じくいわゆる幼なじみである。
何でも話せる存在とはこいつのことだろうなと勝手に感じている。
必死にノートをとる杏子と口をあけ情けない表情で爆睡する卓也。
そんないつも通りの光景に何か安心を感じ取った大輔は無意識に、まだ日差しの強い景色をぼんやりと窓からながめた。
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