終わりに向かう始まりの物語

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さて、勝也先生を涙目で睨むわたしだったが、 また広辞苑の角にやられました。 「勝也先生、か弱い女の子に広辞苑の角ニ連発はどうかと思います!」 痛みをこらえながらわたしは反撃にうってでた。 わたしだって立派な女の子だ。そしてか弱い女子高生だ。 それなのに広辞苑の角ニ連発はいくらなんでもやりすぎだ。 さぁ勝也先生、あなたの弱みはわたしの手のひらにある! と、かっこつけたが。 「万引きやスリの常習犯がか弱い女の子なわけがない」 「うっ」 その言葉は反則だ。 それ言ったら反撃の芽まで潰されるほどの大ダメージ。 …………。 ………ああそうですか。 盗みしたらそんなに悪いですか。 よし、死のう。 わたしは首に巻きつけているマフラーを手に強く縛る。 「星中!ストップ!落ち着け!」 勝也先生が慌てわたしの手を離そうとするがそんなの知ったこっちゃない。 その後警察署では自殺しようとするわたしを大掛かりで止めていた。
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