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「この大バカ者が!なんでそんなに死に急ぐんだ!」
勝也先生の怒号がわたしの耳に響きわたる。かなりうるさい。
歩行者に迷惑かけているのによく大声で説教できるなと感心しているわたしだったが、
「別に死のうが死なないがわたしの勝手でしょう?勝也先生が決め付けることじゃないですよ」
わたしは冷たく勝也先生を突き放すように言った。
わたしは死に対する感覚がおかしい。
二年前に両親が亡くなったときもそうだった。
大切な人、わたしの場合は両親だけど亡くなったら誰もが悲しいと口を揃えて言う。
けれどわたしは両親が亡くなったとき、一瞬だけだが感情を失った気がした。
悲しみから逃げるための行為だったのか、それともわたし自身が壊れていたのか。
今ではもうどうでもいい記憶だけど、やっぱりわたしはどっかが壊れている。
だからわたしは死に対する恐怖がない。むしろ死を望んでいる。
だから勝也先生の言葉はわたしの心に何も響かなかった。
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