終わりに向かう始まりの物語

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一人の子供が缶があるT字路に向かっていく。 もしあそこに車が来たらあの子供は死んでしまう。 さらに事態が悪化する。 車がT字路に向かっているのだ。 まずい。急いであの子供をT字路から離れさせないと間違いないなくあの子供は死ぬ。 他の子供達も隠れているのか全く気付いていない。 わたししか動ける人がいない。 それでも行くしかない。 わたしは全力疾走してT字路に向かっていった。 万引きやスリしたときに逃げるための脚力がここで活用されるとは思っていなかった。 T字路までもう少しの時、最悪な展開が起きていた。 車の運転手が居眠り運転をしていることだ。 これで相手が急ブレーキして助かるかもしれないという希望が消えた。 残された手段はわたししかいない。 この足が壊れてもいいから間に合え! 最後の力を振り絞ってT字路にたどり着き子供を抱え公園方面に投げた。 そして車がわたしに─────。
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