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鷹司家も名門とはいえ、五摂家の中では最も家領・家禄が低い。
姫を武家に嫁がせることで、公家はそれによって得る利益を狙っているのだ。
簡単に言えば金の問題である。
「公家の公達に嫁ぐことは勿論ながら、武家に嫁ぐ可能性もなきにしもあらずと、さよに思い定めておりました…。
せやから、お輿入れの返事はお父さんがなさって下さりませ。お父さんの思し召しのままに」
父に向ける小石君の強い眼光には、決意の2文字が浮かんでいた。
「──では、この父が縁組を了承したら、そちはそれに従うのやな?」
「うちはお父さんの意に逆らうような親不幸者やありませぬ。……それはこれからとて変わりません」
小石君は一人の娘ではなく、鷹司家の姫としての役割を果たそうとしているのだった。
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