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どこかで気づいてたのかもしれない。
それほど、彼女が死んだことをしっかり受け止めていた。
別に身体が強くなって、走れるようになったわけじゃない。
今だって彼女を抱えながら歩くのは、すごく大変だ。
でも、僕は行かなくちゃいけない。彼女が好きだった場所に。彼女と2人で。
古びた扉を開けるとき、キィという音が彼女は嫌いだった。
でも、その先にあるフェンス越しに見える景色を彼女はとても好きだった。
なんの変哲もないただのマンションの屋上。あるのは、貯水槽。
貯水槽の近くに彼女と2人で腰を下ろし、目下に広がる銀世界を見た。
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