★第2章★

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いや、この状況はどう考えてもあんまり良くないでしょ。 ここは私が人肌脱いでみんなを笑わせるか.... そんなことを思っていると そんな雰囲気を変えるかのごとく、王子が教室に入ってきた。 「あれ?なんかみんなどうした?」 教室の少し異様な雰囲気を察したのか、突然王子とその友達は教壇に立って自己紹介を始めた。 「せっかく新しい仲間になるんだから、これから1年よろしくなー!あ、俺の名前は真田蓮。れんって呼んで。で、こいつが悠太。」 悠太と呼ばれたその人は 「あ...よろしく。」 ぶっきらぼうだけど、ちょっと照れたように挨拶をした。 あの2人と同じクラスって、うちらめちゃくちゃラッキーじゃん そんな女の子の声があちらこちらで聞こえた。 そっか。 蓮君と悠太君は人気者なんだね。 どうりで2人ともまぶしいくらいかっこいいわけだ。 バチッ あれ? 今蓮君と目が合ったような... 「はなちゃんも何かしゃべったら?」 え、ええーーーー なんですか、その無茶振り... しかも「はなちゃん」って....会った早々から名前ちゃん付け!!! 「あ、ああ...」 って言ってる間に周りに背中を押され、教壇へ。 あーもうっ!しょうがないなぁ。 「えっと、藤井華子です。趣味はソフトボール。高校での夢は恋すること!以上、よろしくお願いしますっ!!!」 半ばやけくそになってそう叫ぶと、教室からどっと笑いが沸いた。 恋、がんばれよー そんな声も聞こえた。 「あははは。がんばるんで応援してください!」 どうやら、高校でも私はお笑い担当になりそうです....。 無念、高校デビュー... それにしても、あの雰囲気を察して一瞬にして楽しいものにした連君は...すごいヤツなんじゃないか?
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