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松江の女 2 宍道湖は赤く燃えていた。 二人の心も夕日の色に溶け合っていた。 「明子さんは、松江は初めてですか?」 「ええ。ショーが終わったら、松江市内を案内してくれる?」 「いいよ。時間があれば出雲へも行って見たいね」 「私も行きたい」 彼女は無邪気に言った。 このファッションショーのスタッフは総勢7名だった。 全員、玉造温泉に宿泊する予定である。 モデルは明子の他にもう一人来ていた。 他のスタッフはもう一台の車で、先に出発していた。 「明子さんはモデルの仕事をして、どのくらいですか?」 「2年になるわ」 「そうか。いろいろな所へ行くんでしょうね」 「ええ。でも私の事務所は小さいから、あまり遠方には行かないの」
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