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再び手元の珈琲を口に運ぶ。
「――――ん…。」
しかし珈琲は空になっていた。
「………ふぅ…。」
誰に対して、と言うわけででもないが気恥ずかしくなったのでため息をついて誤魔化す。
「…何ほうけてるの?」
「―黄昏てるっつーんだよ、こういうのは。」
内心かなり驚いていた。独りだと思っていたのにいきなり背後から声を掛けられるものだから。
「ニアワナイ。」
「るっせぇ…。」
「ニ・ア・ワ・ナ・イ!」
「二度言うなっ!」
んなに似合わねぇかよ…。
「で?本当は何してたの?」
「…ほうけてたんだよ。」
「あ、いじけた。」
「…いじけてねぇ。」
「いじけてんじゃん。」
「ちげーっつーの。」
「くすくす……」
笑われた………でも、こいつの笑顔を見て『まぁ、いいか』何て思えてる時点で俺の"負け"なんだろうな…。
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