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――きっとね、カラカラ落ちて。
「…ずいぶんと
殺風景になったよねえ、
ここも。」
――きっとね、
空から見てる。
「ねぇねぇ。」
僕と君しかいないこの部屋は、
寂しく感じる。
君はずっと僕を見ている。
睨んでいるわけでもなく、
ただ、じっと。
『…また、来たの?』
「見ればわかるだろ?
君に会いに来ただけさ」
その言葉に
少し怯えの色を見せる君。
可愛いなぁ、本当に。
『…殺風景になったんじゃない…
貴方が《した》んでしょ?』
「まぁ、ね。
“僕”は、1人でいいんだ」
『…そんなことはない…
そうだとしても、
貴方は間違ってる』
「今日はずいぶんと偉い口聞くね…
君、いつからそんなに
強くなったんだい?」
――君を見ていると、
その感情は薄れてしまうけれど、
きっと胸の奥の奥の海で溺れてる。
『強くなんか、
なってない…。
もう、限界なのっ』
「ふぅん…?じゃあ…」
「どうする?」
部屋の隅に座りこんでた君は
いきなり立ち上がり、
僕の横を走り去る。
僕の腕をもいで、ね。
僕はそれでも、どうもしない。
痛みなど感じないし、
どうでもいいことだから。
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