黄百合な時間

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今日は、発表会。 私達のチームは 先生のチームの次。 というか、 先生達が踊り終わって 舞台の両端によける。 その間に私たちの チームが入って 一緒におどるのである。 この日をずっと待ち望んでた。 斜め前に先生がいるから… 「ヨーラナ!」 麻海先生の掛け声で 一斉に皆が動き始め、 曲がはじまる。 先生は、 合同練習の時とかは、 しっかり踊らない。 雰囲気がわかれば 良いのだろう。 まぁそのダルそうに 踊る姿もかっこいいんだが。 でも、本番となれば、違う。 誰にも見せないような、 可愛い笑顔で 私達とは違う、 豪華な衣装で 誰よりも力強い、 かっこいい踊り。 自然と顔に笑顔が浮かぶ。 ななめ前を 何度も見ながら踊る。 ああ、かっこいい ああ、かわいい ああ、先生 先生 惚れ直してしまいます 踊りが終わり、 楽屋に戻る。 その時に麻海先生を見つけ、 いつもの台詞を。 「麻海先生、お疲れ様です!」 誰にも見せない、 とびっきりの笑顔で。 手には汗拭きタオルをもって。
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