黄百合な時間

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嘘 嘘だ 夢でしょ 嘘だ なんで 先生  私の事嫌いなんじゃないの? 気持ちに気付いて からかうつもりなの? なんで 嘘 え なんで 少しして離れる唇。 「先、生…?」 言いたいことは たくさんあるのに、 混乱しすぎて それしか出てこない。 「…ごめん。気持ち悪いよね」 そういって先生は 自分の袖で私の口を拭う。 その腕を掴んで、口を開く。 言わなきゃ  伝えて、聞くんだ 真相を 「気持ち悪くなんか、  ありません」 「梨奈…?」 まっすぐ、先生の目を見て。 「私は、先生が大好きです。  もちろん、恋愛対象として。」 先生は、驚きの表情に。 「だから、気持ち悪いはず  ないじゃないですか」 「梨奈…ごめん…  めっちゃ泣きそう…」 「え?なんでですか?  ごめんなさい…!」 「違う…嬉しいんだよ」 「ふぇ…?  でも、先生は私の事  嫌いなんじゃ…」 混乱してきた。 もともと考えることが 苦手な私の頭は パンクしそうだ。 「嫌ってなんかない。」 「でも、  いつも無視されてて…  だから…」 「梨奈の笑顔見てたら、  我慢できそうになくてさ  あの笑顔で話しかけられたら、  梨奈をめちゃくちゃに  しちゃいそうで…  だから、  まともに顔もみれなかった。  ごめん。  でも、今日こそ  伝えるって決めたんだ。  梨奈、好きです。  付き合ってくれませんか?」 ああ 泣きそうだ 夢でもいい 幻想でもいい 嬉しい 「…はいっ…」 涙をこらえて とびっきりの笑顔で。 「…!」 先生も、見たことのない “本当の”満面の笑みを。 「んっ」 先生がキスをしてきて そのキスを受け入れるように、 そっと瞼を閉じる。 油断していた私の口内に するりと入ってきた先生の舌。 「ふぁ…んんっ…ぁ…」 先生の舌は私の口内を 翻弄する。 舌を絡めて 上あごをなぞって 歯列をなめて。 キスが終わるころには、 私の腰は砕ける寸前だった。 「ふぁっ…はぁ…はぁ…」 「梨奈…可愛い…」 「先生も…  とてもかっこいいです」 「ははは、ありがと」 二人で笑い合って、 二人で帰った。
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