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そして、じょぼじょぼと粘り気のあるしずくを垂らしている布を、地面に寝かせた板の上にダンッと重そうな音をたてて置く。
すると八重と佳代が、団子のように丸まった布を、ぐいぐいと押し広げた。
やがて板の上には、ぴんと伸ばした古布が、きれいに貼付けられた。
「さあ、後はお日様に任せましょ。」
八重が言うと、小春はワクワクした顔で振り返った。
「うん、早く乾かないかなぁ。」
「夕方までには渇くでしょ。」
「楽しみだわ。」
小春は、待ち切れずにうずうずしている。
八重は微笑みながら佳代を見る。
「佳代さん、そっちを持って。」
「はぁい。」
八重と佳代は、布が貼付いた板を起こして、庵の壁に立てかけた。
古い着物を布に戻して、糊付けしたのだ。
「今年はお裁縫をきちんと教えて下さるのでしょ?」
小春がなみの顔を見上げる。
なみがニコニコしながら言う。
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