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コスモを出ると目の前に小さな道が通っていて道を挟んだ向かい側には出入口以外を壁に囲まれた小さな駐車場があり、車が止まっていない時が無い。
コスモを出た時の場所から見て、右側の手前から奥に向けて6つの駐車スペースがあり、この日は奥から2番目の駐車スペースに黒のハイエースが止まっていた。
よって1番奥の駐車スペースは覗きでもしないと見えない空間になっていた。
青春と馬頭達はゲーセンから出た後、そこにいた。
馬頭達の人数は計8人。先日、青春が倒したとされている北中の全不良達に比べると遥かに少ない。
青春「…ふぅ、しんど。」
青春は俯きながらそう呟いた後、ポケットからパーラメントの箱を取り出した。
青春「吸う?」
馬頭「自分のくらい持ってるわ。」
青春「あっそ。」
青春は箱から一本の煙草を取り出し口にくわえ、もう一度ポケットに手を突っ込みZippoのライターを取り出し、煙草にそっと火を着けた。
深々と煙を吸い込み、ゆっくりと口から溢れさせながら静かに呟いた。
青春「お前さぁ、なんで俺とやりたいの?」
馬頭「理由いるか?俺はつえぇ奴とやりてぇだけだ。」
青春「あっそ。」
馬頭「てめぇこそ、呼び出した割には随分、落ち着いてんじゃねぇか。たかだか8人くらい余裕か?」
青春「あぁ、余裕。」
馬頭「やっていい?(ニヤリ)」
空気が凍りついた。
青春「もうすぐ吸い終わる、少し待て。」
ヂリヂリと音を立てて青春の煙草はその寿命を縮めていった。
少しして煙草は寿命を全うし、地面に落とされた。
青春「…ふぅ」
体の中に残っていた煙はゆっくりと口から空に向かい飛び立っていった。
馬頭「吸い終わったな…。」
青春「あぁ」
緊迫した時が流れる。
青春「てめぇ1人か?全員か?」
馬頭「タイマンだコラァ!!!!!!」
馬頭の雄叫びと共に仲間達は後ずさった。
馬頭の大振りの右パンチが青春向けて飛んでいった。
青春はそのパンチを"また"まともに喰らった。
馬頭「なんで避けねぇんだよ!」
青春「はっ。避ける必要なんかねぇだろ。ガタイ任せのパンチなんかよぉ。」
ブンッ!!!
ボンッ!!
ドッ!!!!
ゴンッ!!!!!!
青春「ぶっ」
青春は霧状の血を口から吹き出した。
馬頭のパンチやキックは鈍い音を立てて続いていた。
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