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どこまでも透明な液体の中
静かに揺らめくものがありました
それはとても透明で
液体と区別がつきにくく
わたしは何度も何度も何度も
それにぶつかりました
それはとても柔らかく
どうやら意思を持たないようで
何度もぶつかってきた私を
ふんわりと包み込みました
心地いい色の
わたしはそれに寄り添いました
ある時
それの色が変わりました
それまでは透明だったのに
何色とも言えぬ
憎悪の色をしていました
わたしはそれを怖がりました
何かわからないもの
正体のわからぬものは怖いのです
透明で柔らかいものは言いました
怖がらなくていいよ
ここにいるから、と
それはとても柔らかく
ねっとりとしていて
滑らかにわたしを包み込みました
いつの間にかわたしは眠っていたようで
目を開けるとそこはいつもの透明でした
憎悪の色はどこにもなく
わたしは静かに
柔らかなものに感謝をしました
どれくらいたったのでしょうか
ここには時と言うものがなく
いつでも静かで揺らめいています
憎悪の色は
いつもわたしの中にあるでしょう
そしてときどき
柔らかなものが
消してくれるのです
あなたの近くに
透明な柔らかいものはいますか？
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