殺傷屋敷

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『カキーン！』という金属音が絶えることなくこだまする。
ここ漆原高校野球部は、創立10年で2度の甲子園優勝を果たした強豪である。

｢はぁ、今日も疲れたな。｣渇ききった体に、ｽﾎﾟｰﾂﾄﾞﾘﾝｸの甘味が強烈に浸透する。

漆原高校10期主将、南紀 彰(ﾅﾝｷ ｱｷﾗ)が部室のベンチに腰を掛ける。

｢しっかりしろよキャプテン。こんなんでバテてたら夏やってけないぜ。｣

気分屋の副将、須藤 亮也(ｽﾄﾞｳ ﾘｮｳﾔ)が言った。

｢まぁそれもそうだな。だけどあんなにハードなのは久しぶりだよな。情けないけど、バテたわ。｣

部員全員が頷き、｢そうだよなー。｣などとあちらこちらで口にする。

部員は毎日部活があるのは怠いと言いつつも、なんだかんだ野球が好きで好きで仕方がなかった。