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「はぁー……」
ベッドに寝転がり、枕を抱き締めながら大きな溜め息を漏らす。
あんなにも胸を痛ませた切ない気持ちは、時間が経つにつれて薄れていって、代わりに抱き締めた時の感触と仄かに甘い匂いばかりが色濃くなる。
と言うのも、脳裏に、体に、心に刻み込もうとするように、何度も何度もあの一瞬を反芻しているのだから、当然だけど。
「うぁー」
言葉にならなくて雄叫びのようなものを上げながら、ジタバタとベッドの上で身悶える。
思い切り抱き締められた枕は反り返って“く”の字に曲がり、迷惑そうだ。
「……俺、やばっ」
「うん、やばいね」
思いの外純情な自分に照れながら呟くと、背後から冷静に分析する声がして、慌てて振り返る。
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