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「唸り声がしたから心配して覗いてみれば……大丈夫?」
珍しく優しい清吾の気遣う言葉に、胸がじんと熱くなる。
「清ちゃんっ!」
感動を体で表すべく、抱き付こうと手を広げれば、清吾は伸ばした手で俺の額を押し退けるようにしてそれを阻んだ。
「大丈夫か聞きたいのは、そのあ、た、ま」
空いた方の手でとんとんと自分の頭を指差して、清吾は小馬鹿にしたようにもう一度尋ねた。
わざわざその言葉を後回しにしてぬか喜びさせてくれちゃう清吾は、完全なるSだと思う。
少しばかり泣きたくなりながら、「大丈夫ですよーだ」と悔し紛れにふて腐れて答えた。
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