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「ちょっ……ちょっとちょっと、みちるちゃん!なんで清吾は呼び捨てで、僕は“この男”呼ばわりなの!!と言いますか、清吾さんとは一体どういうご関係で?まさか、たぶらかされて、連れ込まれた!?駄目だよ、堅実そうに見えるこういう男ほど、ドSでド変た……」
「おい」
動揺のあまり、捲し立てて喋り続ける俺の口を、静かに怒りをたぎらせた清吾の重圧が塞ぐ。
「馬鹿じゃないの。そんな訳ないでしょ」
ばっさりと否定され、ほっと胸を撫で下ろした瞬間。
あろうことか、悪意に満ちた笑みを浮かべた清吾が彼女の肩に手を回し、自分の元へ引き寄せた。
「そうそう、野暮な事聞かないでよ。無理矢理連れ込むなんて、そんな野蛮な事しないし」
ちちち、近いっ!
とりあえず離れなさいよ、君たちっ!!
清吾のけしかけるような言葉もろくに耳に届かず、2人の距離に1人、あたふたする。
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