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「本気だから」
自分にも、彼女にも、そして少し困ったように俺を見る宇佐美にも向けた言葉だ。
「……っ、馬鹿」
戸惑いを浮かべながらも、少し照れ臭そうに頬を染めて。
視線を落としたまま、みちるちゃんは今にも消え入りそうな声でそう呟いた。
見たことのないその反応に、言い様のないくすぐったさが爪先の方から這い上がってきて、思わず背筋がぴんと伸びる。
わっ、わっ、わっ!!
これって、今度こそ、本当の本当に伝わった?
急上昇する熱と共に、心まで浮き立つ。
言葉を失って、まるで金魚みたいに口をぱくぱくさせているうちに、彼女はさっさと俺を残して帰っていってしまったけれど。
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