恋の痛み

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「前に言ってた“恋”の相手って……もしかして、みちる?」 ちらりと盗み見るようにその鋭い瞳の端に俺を移す清吾に、少しばかり戸惑ってしまう。 だけどここで怯んではいられないと、ぎゅっと唇を噛んで答えた。 「うん」 無意識のうちに一体どれだけ歯を食いしばっていたのか。 頷く俺を見て、呆れたように顔をしかめた清吾が「なにその怖い顔」と苦笑いを漏らした。 「ふーん」 指摘を受け、確かめるように顔をぺたぺたと触っていると、気のない相槌が返ってきた。 「趣味悪い」 と思ったら、ばっさりと吐き捨てるようにそんな言葉。 「……いくらなんでも、怒るよ?清吾」 みちるちゃんを貶されているようにも聞こえ、キッと清吾を睨み付け、凄む。  
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