恋の痛み

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しばらく歩いていると、やけに通り過ぎる生徒たちの盗み見るような視線を集めて落ち着かない一角を見つけた。 何かあったのかと、俺も興味本意でその波に紛れて覗き込む。 そして、その先に見つけたものに目を見張った。 ……みちるちゃんだ。 探し求めていた彼女が、視線の先に居る。 ただ、壁に追いやられた彼女は数人の女の子たちに囲まれて居て、そこに漂う空気は明らかに穏やかなものではない。 「あなた最近、右京の周りをチョロチョロして……一体どういう関係?」 そろりとにじり寄って聞き耳をたてると、壁のように立ちはだかる女の子たちの中の1人が怒りを滲ませた声で静かに尋ねた。 彼女が責められている理由を悟り、いよいよ駆け出す。 「……どうって、別に何も?」 俺でも怯んでしまいそうな圧迫感のある空気をものともせず、彼女は面倒くさそうに答えた。  
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