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「そう。何でもないって言うなら、もう金輪際、右京には近付かないで」
みちるちゃんのぶっきらぼうなその態度が、女の子の更なる怒りを触発したのが、声色で分かった。
「お言葉だけど、近付いてくるのは向こうの方。私に言うのはお門違いでしょ」
女の子たちの並々ならぬ怒りを明らかに感じ取っている筈なのに、みちるちゃんは怯む事もせず、淡々と言い放つと、とうとう女の子の顔付きが変わった。
「右京は今まで、誰か1人を選ぶ事なんてしなかったの!だから、それでもいいって、私たちは特別を望まなかった。それなのに、なんであんたがっ!!」
怒りが爆発したかのように声を荒らげ、女の子はみちるちゃんに手を振り上げる。
パシッと、乾いた音が空気を切った。
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