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「いいわけないで、しょっ!!」
逃れようと必死だった手は、抗うのを止めたと思うと顎を目掛けて突き出され、首は思い切り反り返った。
「バカッ!!」
そう一言吐き捨てて、みちるちゃんは立ち上がった。
また嫌われちゃったかな、なんて落ち込みながらも、遠退いた距離に安堵する。
無理矢理キスして、彼女を悲しませて後悔するなんて真っ平なのに、自分じゃこの体を制御出来そうになかったから。
「せっかくちょっと見直したのに」
しゃがみこんだまま地面を見つめて、沈んだ心を奮い起こそうと深い溜め息を吐く俺のもとに落ちてきた彼女の言葉に、勢いよく顔を上げた。
「え……?見直す?」
何かの間違いじゃないかって、尋ね返す。
自分で言うのもなんだけど、嫌われる事は多々あっても、見直される事なんて、そうそうない筈だ。
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