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「右京、晩御飯の用意出来たって」
軽いノックと共に、ドアの向こうから清吾の面倒くさそうな声が俺を呼んだ。
それでも俺は何の返事もしなくて、というか出来なくて。
「……右京?」
何の応答もない事を不思議に思ったのか、清吾はもう一度俺の名を呼んで、ゆっくりとドアを開いた。
「……なんか、腐ってない?」
ベッドの上で、羽織っているパーカーのフードを深く被って膝を抱え、うずくまる俺を見た清吾の、呆れたような第一声。
その言葉の通り、間違いなく今の俺は腐っているから、へへっと薄気味悪い笑いだけを返した。
「かなり鬱陶しいんだけど。……なに、どうしたの。今なら聞いてやらなくもないよ」
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