声を聞かせて

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「さっきも言ったけど……振られたわ、バッサリ」 黙々と茜色に染まる町並みを歩いていると、出し抜けにみちるちゃんは呟いて本題を切り出した。 「本当は、告白するつもりなんてなかったの。結果なんて分かりきっていたから、わざわざ今までの関係を壊したり、傷付いたりする必要ないって」 そしてポツリ、ポツリと言葉を紡いでいく。 まるで想いをなぞるみたいに。 ふわりと風に揺れる髪が、いたずらに彼女の表情を隠したり覗かせたりする。 時折覗く表情は切なげで、だけど満たされていて。 なんだかひどく胸が苦しくなった。 「右京のせいよ」 更に続いた抑揚のない声に、今度は心がずっしりと重くなる。  
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