不機嫌な瞳に恋してる。

声を聞かせて

「でも……そういう展開もかなり期待してた割には、ごめんって言われてもあんまりショックじゃなかったのよね」

愁いを帯びた瞳で遠くを見つめながら、みちるちゃんはポツリと言葉を落とした。

「もうずっと、諦めてたからかな。この気持ちはもう、意地みたいなものだったのかも」

徐にブランコに腰を下ろし、そう続けた彼女の表情は泣くのを必死に堪えているように見える。

「……みちるちゃんは、嘘を吐くのが下手だね」

嘆息のような笑いを短く漏らし、彼女の前に回り込めば、驚きと戸惑いを湛えた瞳が俺をまっすぐ見返す。

だって、ちっともそんな風に思っているようには見えない。