不機嫌な瞳に恋してる。

繋ぐもの

「ぷっ、棒読み」

それなのに、宇佐美は責めるどころか、おかしそうに笑う。
それで分かった。
宇佐美が引き摺っているのは、別の事だって。
“足が思うように動かない”、それも真実なのだろうけど、その裏に隠された傷がある。

「あー……ごめん。宇佐美はこういう時、どうして欲しい人なのか、知らないなって思って」

頭を掻きながら正直に言えば、宇佐美はまた笑った。
清々しい笑顔に、むしろ俺の方が救われてしまう。
宇佐美……俺に違わずいい男過ぎて、ちょっと惚れそうだ。

「可哀想って顔されるのは好きじゃない、かな」

うーん、と小さく唸ったあと、宇佐美は苦笑を浮かべて答えた。
もう沢山、という心情が窺えて、胸が痛む。