繋ぐもの

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「な、に……追い掛けて来てんの、みちるちゃん」 夢のようで夢じゃなくて。 確かに目の前に、みちるちゃんが立っている。 「だっ、て……右京の方が、泣きそうな顔してる」 小さな体を上下に小さく弾ませ、呼吸を整えると、みちるちゃんは眉をひそめて言った。 そして俺の頬に伸ばした手を、俺は拒絶するように顔を背けて避けた。 「そう?気のせいだよ。僕、そんなに泣き虫じゃないし」 あはは、と笑ってみせるけれど、ちゃんと笑えているのか不安だ。 顔が引き攣っている気がする。   「嘘。右京はいつもそうやって本音を隠す時は“僕”って言うの、知ってるんだから」 目を見張り、ずばり言い当てたみちるちゃんの方をゆっくりと振り向いた。  
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