不機嫌な瞳に恋してる。

繋ぐもの

「いちいち確かめなくても、分かってるわよ、そんなこと」

眉を寄せて、溜め息混じりにみちるちゃんは言い捨てる。

「なぁに、それとも、断った方が良かった？」

やっぱりまだ信じられないのと、それでもどうしたって嬉しい気持ちが複雑に混ざり合って、心ここにあらず、といった状態の俺を、みちるちゃんはからかうような笑みを湛えた横目で睨む。

「まっ、まさか！嬉しい!!」

自分を装う事も忘れて、顔をくしゃくしゃにして笑う俺は、多分子供みたいにはしゃいでしまっている。

「……馬鹿ね」

みちるちゃんはいつもの台詞を、いつものように呆れた声色で、だけど優しく微笑んで言った。
俺の心は簡単に、その笑顔にギュッと胸を鷲掴みにされる。