14261人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃ、約束!指切りげんまーん」
気を抜けば緩んでしまう口元を、笑うことでなんとか隠して、立てた小指を差し出した。
「はいはい」
今にも「仕方ないわね」と聞こえてきそうな溜め息混じりの相槌。
だけど、しっかりと小指は絡まって、繋がって。
触れた先から、電流みたいに体中を、心地よい胸苦しさが走る。
「す……」
言いかけてからハッとして、口を噤む。
つい、「好きだ」ってまた、口にしてしまいそうだった。
代わりに、絡まる小指にぎゅっと力をこめる。
「楽しみ!」
離さなきゃ、と思いながらも、名残惜しくてまだ小指を絡めたまま、ニッと笑って見せる。
するとみちるちゃんは、逃げるように視線を足元へ落とした。
最初のコメントを投稿しよう!