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それから、トントン拍子に話は進んで、デートの日取りと時間が決まった。
早く当日にならないかな、と願うくせに、今、この時間を終わらせたくないと強く思ってしまう。
だけど話題が浮かばなければ言葉も続かなくて、浮わついた沈黙。
「あー……、じゃあ、楽しみにしてマス」
「うん」
限界を感じてそう締めくくると、みちるちゃんは小さく頷いた。
無理矢理まだ絡めていた小指も、とうとうゆっくり解けてしまう。
……あーあ、離れちゃった。
やけに寂しく感じる、さっきまで繋がっていた小指にこっそりと視線を落として思う。
「それじゃ、またね」
そう言って踵を返すみちるちゃんは、今からまた、宇佐美の居る屋上へ行くのだろうか。
……いや、行くに決まってる。
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