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「楽しみだね、アシカショー。俺、水族館なんて何年ぶりだろ。子供みたいにはしゃいじゃったらごめんね!」
鋭い視線をさらりとかわしてニッと笑ってみせれば、みちるちゃんは探るように俺の顔を覗き込んだと思うと、やっぱり口元を緩ませながら「嫌よ」とばっさり言い捨てた。
「あんまり恥ずかしいと、他人のふりするから」
更に素っ気なくそう続けて、そっぽを向く。
そんな、あまりにみちるちゃんらしい答えに、俺は笑いを押し殺した。
いつもと違う場所、いつもと違う服装。
ほんの少し違うだけなのに、真新しく感じられて、やたら緊張していたけれど……
いつもとなんら変わらないやり取りのおかげで、やっとそれも解れた気がする。
それにしても。
セーラー服もいいけど、デニムのショートパンツにTシャツを合わせたカジュアルな格好も……いいっ!
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