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「変態」
みちるちゃんの私服姿を噛み締めていると、軽蔑にも似た冷たい眼差しと声が投げられて、ふと我に返る。
「今、いやらしい目で見てた」
「えっ!?や、否定はしないけど」
焦りつつも、みちるちゃんの怒号を甘んじて受ける覚悟で認める。
「そこは否定しなさいよ、馬鹿」
確かに俺を睨んでいるのに、いつものような軽蔑を含んだ物言いとは違って、優しく響く声。
平謝りする準備さえしていたから、拍子抜けしてしまう。
「みちるちゃ……」
「右京、早く!アシカショー、始まっちゃう」
何かあるんじゃないかと勘繰っているうちに、みちるちゃんはもう既に先を歩いていて、少し離れた所から俺を呼んだ。
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